円相について

◎円相について
新しいお茶人から、今度の茶会に掛けようと思う と 墨跡の解を聞かれました。拝見すると、円相を画いて讃語に、「人々這ケ出不得」とあり、筆者は大徳寺の宙宝和尚です。
円相の意味は、讃語によって変わってきます。
「人々這箇出不得」とか「天下の衲僧跳不出」とかある場合は、縦に無始劫来より尽未来際まで、横には大宇宙の隅から隅まで、絶対の真理(如是の法)が充ち満ちているのだから、この円相から外に飛び出すことは絶対に不可能だという意味です。人間だけでなく山川草木禽獣虫魚に至るまで、一切の存在がこのままここで生き、ここで死んでゆけばそれでよいのです。悟っていようが迷っていようが、そんなことは一切関係ありません。
『法華経』には「一切治生産業みな実相と相違背せず」とありますし、道歌にも「雲晴れてのちの光と思うなよ元より空にありあけの月」とあります。
安心して生き、安心して死んでゆきましょう。
それでも、自分自身に「うん、そうか」と納得できぬうちは、どうしても安心出来ぬという人のために、「坐禅」があります。どうぞあなたのお越しをお待ちしております。
竜穏庵井本光蓮 合掌